本物のパシュミナストールとは?
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繊維の宝石、パシュミナ!
パシュミナは、繊維の宝石として、世界中の人々から愛されています。
日本の品質表示法では、パシュミナもカシミヤと表記しなければならないので、その言葉の本当の意味を知っている方は多くありません。
ただの薄手のストールのことをパシュミナと言っても法律的には問題ないので、誤表記があちこちにあり、混乱を招いています。
パシュミナは、4000メートル級の高地に生息しているヒマラヤ山羊の冬の間だけ生える柔毛のことをいいます。パシュミナは、肌触りがよく、光沢もあり、軽くて大変暖かいです。素晴らしい肌ざわりの希少な繊維として、世界中の人々から愛されています。
高地の厳しい冬の寒さを防ぐために、山羊には冬の間だけ、極細で柔らかくとびっきり暖かなふわふわの毛が首の下部に生えてきます。
そして暖かくなると、山羊たちは岩に体をこすりつけて、柔らかな毛を落とします。
昔は村人たちがその毛を拾い集めて、最高の肌ざわりのパシュミナショールを作っていました。
パシュミナショールを一枚作るには約4頭分の毛が必要で、それゆえ、非常に希少で高価なものです。今では家畜化されていますが、ヒマラヤ山羊も4000メートル級の高地で育てないと、最高品質の毛は取れません。そのため、人里離れた高地で放牧されており、高山病と戦いながらの大変きつい労働の賜物です。
カシミール地方の首都スリナガルには、シルクロードの要衝として、パシュミナが集められてきました。カシミールには織物の高い技術があり、今でもインドカシミール産のパシュミナが最高級品とされています。
そしてこのパシュミナはシルクロードからヨーロッパへと渡っていきました。ナポレオンのエジプト遠征のお土産としてジョゼフィーヌ皇后の手に渡された、カシミールのパシュミナは、ヨーロッパ貴族に深く愛されるようになったのです。
パシュミナ100%のストールはフリンジでわかる!
パシュミナは高価なうえに、非常に弱い繊維なので、補強の意味でも昔からシルクとの混紡されてきました。それゆえ、販売されているパシュミナの多くがシルクパシュミナです。
ですから本物のパシュミナの簡単な見分け方を知っておくと良いでしょう。ポイントはフリンジです。
ストールの端は、きれいに糸を撚って細いフリンジを作ってある場合と、はさみで 切って横糸を少しぬき取っただけの、断ち切りになっているものがあります。フリンジがある方が、上等と勘違いしてしまいがちですが、実は高級なストールは、ほとんど断ち切りです。
なぜならフリンジを作るには、強い繊維が必要です。シルクを縦糸に使ってある場合は、簡単にフリンジが作れますが、柔らかくて弱いカシミヤやパシュミナ100%の場合はフリンジ を作ることができません。フリンジを作ることができるのは、シルクやウールなど丈夫な繊維のみ。ですから、パシュミナ100%のものは、みな断ち切りです。
インドでは、たまに、断ち切りの最終仕上げ前のストールが端が不規則に折れ曲がったまま売られていることもあります。インドの人は、精巧な刺繍をする割には、最終仕上げには無頓着なので、もしかしたら、それは非常に高価なストールかもしれません!
そんなことを知っていると、インド旅行中に、掘り出し物の高級ストールを見つけることができるかもしれませんね。ただし、シルク混のものでも上等のものは、フリンジを作っていないこともありますので、すべてパシュミナ100%とは断言できません。難しいです。そうなると最後の決め手は肌ざわりと信用ですね。
パシュミナ、カシミヤ、ウールの肌ざわりランキング
本物のパシュミナストールの肌ざわりのよさを知ってしまうと、もはや他の繊維をまとえないほど心地よさが抜群です。
自然の繊維・獣毛の肌ざわりの良さをくらべてみると…
第一位 パシュミナ*(4000mの高地に生息のヒマラヤ山羊の希少な冬毛)
第二位 カシミヤ(山羊の柔毛)
第三位 ウール(羊)
さらに、パシュミナの中でも肌ざわりの良さの違いがあります。
第一位 手織りのパシュミナ
第二位 機械織のパシュミナ
手で織ると自然に繊維の間に空気が入り、その分ふわふわ感が増します。職人がトイレに行ったり、食事をしたり、寝たりしたときにはわずかな筋がつきます。
手織りのパシュミナの場合は、色の違う遊び毛も多いのですが、肌ざわりにはほとんど影響しません。遊び毛を抜いてしまうと隙間も出来てしまうので、できるだけ抜かないようにおすすめしています。
超敏感肌の方には手織りのパシュミナが一番おススメです。最高の肌ざわりの商品はやはり価格も高くなってしまいますが、それだけのことはあります。
また、同じ山羊でもその年の気候によって毛の質が変わってしまいますし、やはり子供のヤギの毛は柔らかです。
肌ざわりもただ柔らかいだけでなく、腰の弱さや、とろみ感、生地の薄さによっても変わってきます。上記の写真のように山羊の毛の色も様々です。本当に自然の繊維は、知れば知るほど、奥が深いです。
自分で試して気持ち良いのが一番なので、インドリームに直接いらして、お試しいただくしかありません。また、オンラインのテレビ電話などでご質問されたい場合は遠慮なくご相談ください。
インドリームの品質表示へのこだわり
インドリームでは、本物のパシュミナ100%だけをパシュミナと呼び、品質表示では、カシミヤ100%(パシュミナ)としています。
これまでお話しましたように、パシュミナは非常に高価な上、繊維が弱いので、シルク混のパシュミナストールも多く生産されています。さらにセミパシュミナと呼ばれていて、シルクと上質ウールの混紡もありますし、安価なレーヨンのストールも多くあります。
最近は、「ファインウール」というまるでカシミヤのように肌ざわりの良い高級ウールストールも増えて、さらに複雑で分かりにくくなってきました。
インド人も、安いものを高く売るためにパシュミナという言葉を多用するので、観光客も騙されることも多いです。本物のパシュミナの定義を知っている方はごく少数なのです。
高品質パシュミナリングショール
インドリームでは、高品質のリングもするっと通り抜けてしまうパシュミナを扱っております。パシュミナは、人間の毛のおよそ1/6の細さで、ぬめり感と独特の光沢があり、染めても発色がとても美しいです。
インドでは平気でレーヨンのストールをリングに通してパシュミナだと観光客に売りつけたりもしていました。パシュミナは信用のおける店で買うことが一番大切です。
シャトゥーシュ
チベットアンテロープ(カモシカ)の毛のシャトゥーシュの悲しいお話からはじめなければなりません。
カモシカの毛織物、シャトゥーシュはさらに細くて人間の毛の1/7程度と言われています。
シャトゥーシュはチルーと呼ばれるチベット高原の4000メートル 級の高地に住む野生のアンテロープ(カモシカ)の粗毛の下の柔毛のみを用いて作られます。
一枚のストールに3~5頭分の毛が必要ですが、チルーは家畜化できないために、全て殺されてしまいます。
カシミヤより細く、やわらかく、暖かなストールは、世界中の人々に愛されました。私も触ったことはありますが、パシュミナよりさらに腰が弱く、とてもとても弱い繊維です。ここまでくると、繊維が弱すぎて、すぐにぼろぼろになってしまいますが、肌ざわりの良さには代えられません。
高価で取引されたため、乱獲、密猟され、現在、チルーは絶滅の危機に瀕しています。あまりにも貧しい地域のため、密猟を取締るのも命がけだそうです。すでに国際取引は禁止され、2009年ころからインド国内の販売も厳しく取り締まられています。
日本の環境省も「シャトゥーシュを買わないで」という文書を出しています。なぜなら買い手がいることにより、チルーの密猟が止まらないからです。
YouTubeでチルーの悲劇を紹介している動画もありました。悲しい現実です。
YouTubeでもご紹介中、様々なパシュミナ
インドリームには本物のパシュミナ100%にこだわって商品を選んでいますが、その中にもいろいろなバリエーションがあります。
それぞれのパシュミナについて、YouTubeで解説動画を作成しましたので、良かったらご視聴ください。
インドリームチャンネルも開設しましたので、ぜひチャンネル登録してください。
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