カシミールへの道(起業物語その6) –海外出張と家族の壁–
<海外出張と家族の壁>
再就職してから翻訳会社までの時代は出張は一切しませんでした。
3人の子供も中高生で、毎日お弁当も作っていましたから、家庭最優先の生活でした。
子供が高校生の頃、アメリカでの知人の主催するイベントにお誘いがあり、
真剣に悩みましたが、やはり1人で出かける勇気はありませんでした。
ベンチャー企業に転職してから、突然インド出張の話が持ち上がりました。
今まで、夫と子供のために暮らしてきましたが、良く考えてみると、
3人の子供も成人し、末っ子の長男はすでに下宿していました。
インド出張は、夫が不便を感じる以外、何も障害はありませんでした。
ここで一歩を踏み出すか、専業主婦からスタートした私にとっては大きな決断でしたが、
思い切って出かけることにしました。
まるで、アームストロング船長の月面での第一歩のように私にとっては大きな一歩となりました。
それから、新しい世界がどんどん広がって行きました。
当時のコンサルティング会社のインド新規事業の種を探す旅は、バラエティにとんで楽しい出張でした。
未知の国、インドでたくさんの人に会い、刺激を受けました。
その勢いで、帰国して2週間後に、今度は東大の先輩の設立したNPOの主催した
ロサンジェルスでのセルフ・ブランディングの研修ツアーに参加してしまいました。
夫は私の急な変身に戸惑いましたが、まさに私にとっては自分の心を家庭から解
き放つ旅でした。
家で多少の波風はたちましたが、人生の大きな転機となる旅でした。