カシミールへの道(起業物語その4) –転職–
<50歳での転職>
40代以降には、若い人にはない人脈が大きな財産です。
そのためには、常々、自分のやっていることを周囲の人に知らせておくことが
大切です。
営業というわけでなく、自分がお役に立てそうな方がいらしたら、
資料をお送りしておくとか、お目にかかった時に自分の仕事の話をするという
簡単なことですが、それが大切な人脈を作ってくれます。
私も専業主婦時代に時間があったので、同窓会のお手伝いをしたり、
地域や学校の方と仲良くしていました。
また、仕事を始めてからは、翻訳会社の翻訳した本をプレゼントしたりして
今、こういう仕事をしているという紹介をしていました。
そういうことで、友人、知人が、何かの折に私のことを思い出してくれて、
思わぬチャンスを作ってくれます。
翻訳会社時代にも、知人がいろいろと困った時に助けてくれましたし、
気がつけば、私が紹介した人が職場の半分くらいを占めるほどになっていました。
そんなある日、ちょうど私が翻訳の仕事にも物足りなさを感じていたところ、
昔の上司から、インドIT関連のベンチャー企業を設立するという話が舞い込みました。
翻訳という仕事は、すでに出来上がったものを縦から横に直すという静的な仕事ですが、
ベンチャー企業は自分で仕事を作りだす動的な仕事です。
早く結婚したおかげで、50歳で3人の子供もすべて成人していました。
母としての役目は一応一区切りをつけて、これからは、仕事にまい進する覚悟で
ベンチャー企業に転職することにしました。
50歳での転身ですから、もう次の職場はなく、安定した職場を捨てての
かなり思い切った決断でした。