ストール専門店インドリームの歩み、多くの人に支えられた11年
Contents
青山の高級ストール専門店インドリーム
こんにちは、青山の高級ストール専門店インドリームのオーナーの長谷川峰子です。
500年以上の歴史を持つインドの高級刺繍ストールやワンランク上のペイズリー柄ストールを直輸入販売しております。
インドリームの開業までの道のり!
商品が届かない!
世界女性サミットで出会ったインドのファーラさんとは一瞬で意気投合しましたが、やはり日本人とは勝手が違いました。
私は帰国後すぐに開業準備に入りました。会議で知り合ったばかりのインド人女性と即ビジネスを開始するというのは、考えてみれば常識外れの行動でしたが、当時迷いはありませんでした。
それでもビジネス経験の浅い私が商売にたけたファーラさんとビジネスすることを心配してくださる先輩が多く、貴重なアドバイスをたくさんいただきました。
私は帰国後すぐに楽天市場との契約を結び、ネットショップの準備を始めました。しかし、周囲の心配は的中し、送ってくるはずのサンプルが届かず、ようやく届いたのはストールの写真がいっぱい入っているCD一枚だけ。素材も価格も全くわかりませんでした。メールで質問しても、詳しい説明は全くありませんでした。
たった一人のインド出張
困り果てていたとき、ベンチャーの社長に、「インドに行くしかないだろう。」と背中を押され、やむを得ず一人でインドに行くことになりました。もはや後戻りはできません。
たった一人の海外旅行などしたこともなかったのにインドに行くことができたのは、ニューデリーに心強い先輩がいらしたからです。大手商社の駐在員の妻として、偶然その時期にニューデリーにいらしたというのも幸運だったとしか言いようがありません。先輩は、空港への出迎えから、移動の自動車も手配してくださり、ストールの仕入れも全て付き合ってくださいました。用意されていた商品は、CDとは全く違うもので驚きましたが、品質は素晴らしく、しかし、なかなか価格がわからないのには閉口しましたが、、心細かった初めての仕入れも無事終わりました。
まさに幸運の女神がいたのでしょう。起業する瞬間というのは、不思議な流れがあり、無我夢中のうちに幸運が重なって自然に成就するように思います。過去のすべての経験や人脈がこの時のためにあったのだと感じられる運命的な瞬間です。こういう流れを感じられないときは起業を見合わせた方がよいとも思います。
青山インドリームの誕生!
オフィス探しも苦労しました。予算も少ないし、青山に魅力がありましたが、最初は適当な物件が見つからず、市ヶ谷のスペースを申し込みました。ところが審査の段階で大家さんに金銭の授受を伴う仕事には貸さないと断わられてしまいました。
表参道の一等地にオフィスを構えたおかげで、ネット販売に加えてサロン販売も始めることができました。表参道ヒルズの開店と重なり、表参道がにぎわい、また、友人や知人の応援のおかげでインドリームは順調にスタートしました。
素人のいきなりのファッション業界参入でしたが、ネット通販もまだ出店者が少なく、意外に好調でした。今思うとひどい写真でしたが、どこのお店も似たり寄ったりの状況でしたので、ネットショップも動いていました。人材確保は大変でしたが、困ったとき、不思議と新しいステップに適した人材が見つかり、10年間何とかやってこれました。
翻訳会社時代に身に着けた英語力とパソコンスキル、ベンチャー企業でゼロから学んだ会社運営のノウハウなど、全てが役に立ちました。万一の場合、一人でもやっていけるよう、私もいろいろ勉強しました。パソコン好きでないとネットショップはやっていけませんね。
インドリームの素晴らしき応援団
お客様第一号は住田弁護士
開店直後は、行列のできる法律相談所に出演していた友人の住田裕子弁護士が応援してくださり、テレビ出演にストールを使用してくださったり、彼女の事務所の職員にプレゼントしてくださったり、本当にありがたかったです。持つべきものは友ですね。
桐島かれんさんとの出会い
インドリームが少し世に知られるようになったのは、桐島かれんさんのおかげです。
ネットでインドリームを見つけてくださり、いきなり来店されました。かれんさんは、高級ショールを購入してくださっただけでなく、高級女性ファッション誌の「プレシャス」の「かれんな物がたり」という連載エッセイで、インドリームの刺繍ショールを大々的に取り上げてくださり、そのおかげで全国からお客様がいらっしゃるようになりました。
その後も機会のあるたびに、手仕事の大好きなかれんさんは、House of Lotusなどでインドリームの高級刺繍ショールを紹介してくださっています。
NHKの人気教養番組「美の壺」でも宝物のショールとして披露してくださいました。
敬愛するワドワ前駐日インド大使
2015年末まで着任されていた、初の女性の駐日インド大使のワドワ大使は、インドリームの展示会にプライベートでいらしてくださいました。インドリームのコレクションの質の高さに驚き、心から応援してくださいました。ワドワ大使との記念写真は私の宝物です。初の女性駐日インド大使として、天皇陛下や安倍首相の訪印にも立ち会われ、素晴らしい活躍をされました。
試練はチャンス!
しかし、消費税増税後に訪れた景気の低迷、同業者の増加、社員の転職など、ここ数年は、経営上の悩みも増えてきました。そんな「試練」を迎えるたびに、私は「チャンス」と読み替えるようにしています。今日の悩みは明日の好転のきっかけ、自分だけで踏み出せない貴重な一歩のまたとないチャンスなのです。
経験もなく始めた商売でしたので、わからないことだらけでした。その都度、一つ一つ専門家に教えていただくことができ、今のインドリームがあると思います。商標登録も、火災保険の盗難補償も友人のアドバイスのおかげで、無事対処できました。
これからのインドリーム
進化を続けるインドリーム
こうしてインドリームも11年の間に成長しました。
元ミス日本でダンスアーティストの板倉リサさんをストール・モデルに迎え、ネットショップの写真は一段と美しく、躍動的になりました。
インドリームは、大きくなるよりは、本物の良さをわかる方、手仕事を愛する方に丁寧に商品を販売していく方針です。これからはメルマガを使って、その思いを皆さんに伝えていきます。
インドリームのほとんどの商品は、展示会での仕入れではありません。直接生産者に繋がった仕入れを心がけています。昨年はカシミールの刺繍職人の家まで行き、食事もごちそうになり、直接、手塩にかけたショールを分けていただきました。生産現場も見学いたしました。
最近、非常に珍しい100年以上前の「アンティークの刺繍ショール」や、16世紀に発展した複雑な手織りのパシュミナショール「カニショール」を入手でき、インドリームの宝物のショールが増えました。
こうしたショールもイベントを通じて多くの方にご覧いただきたいと考えています。
私のライフワーク
インド刺繍職人の魂と技のこもった最高級のストールを日本の皆様に紹介するこの仕事は私のライフワークです。今後は女性だけでなく、男性にもストールの良さを広めていきたいと考えています。その一環として、今年初め、レオンという高級ファッション男性誌にシルクストールのプレゼント提供をさせていただいたところ、大変な反響があり、男性も無地のマフラー以外に新しいタイプのストールを求めていることを肌で感じました。男性向けに質の良いおしゃれなストールを扱っているお店は本当に少ないのです。メンズストールの市場拡大も今年の目標のひとつです。
これからも、インドリームは、「ストールという華のある暮らし、本物を知る喜びをお届けする店」、「ブランドではないがセンス抜群で、流行に流されない良い品を紹介する店」を目指してまいります。
☆インドリームでしか見られない美術品クラスのカシミールショールのスペシャル・コレクションをご覧になりたい方は、表参道駅より徒歩3分の青山サロンにぜひお越しください。
常時、様々な種類のストールを置いており、ゆっくりご覧になれます。
ストールの選び方からコーディネートのご相談も承っておりますし、巻き方は個々に丁寧にお教えいたします。