SDGsへの想いが起業のきっかけ!
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52歳でいきなりインドとビジネスを始めた理由
先日、私が国際的なビジネスを始めた時の話をさせていただく機会がありましたが、そのおかげで開業当初の思いがよみがえってきました。
当時、私は家庭と仕事の両立だけでなく、子供たちに恥じることのない仕事をしたいと強く思っていました。ですから、インド人パートナーのインドの職人の暮らしを向上させたいという思いと子女教育の援助という目標に強く惹かれました。
まさに今盛んに言われているSDGsの実践ですが、それを自然に、情熱を持って行動している姿を見て間違いの無いパートナーだと思いました。

しかし、パートナーとは国際会議で出会っただけですから、きちんとした紹介者がいたわけでもありません。当時、私は、年齢も50歳を越えており、またアパレルの経験も輸入の経験もほとんどなく、インドは一回出張で行ったくらいの素人でした。
実際のところ、ビジネスの先輩方から、起業を慎重にするようにというアドバイスをたくさんいただきました。また、インドとの取引の難しさを心配してくださる方がたくさんいました。
それでも迷わず前向きに進んでいけたのは、私に次の仕事はないという勢いがあったことに加えて、次の3つの理由からです。
ストールが運ぶ幸せを実感できたこと
ストールを売る人も買う人も美しさに目を見張り、身につけるだけで誰もが笑顔になったことが決め手!初めてインドのストールを見た日は、ストールに吸い寄せられて会議そっちのけで一日中ブースにいました。
次々にいろいろな国の女性が立ち止まり、ストールを選びます。女性のお買い物好きは世界共通。しかも美しいストールを前に、売る方も買う方も共に幸せな気持ちになりました。
「こんな楽しい仕事は他にはない!」と感じた瞬間でした。
パートナーと一瞬で意気投合できたこと

彼女はアメリカ留学の経験もあり、西欧的な常識をもち、二人共家族を大切にする母親であったこと。家族の悩みも仕事との両立も共通の話題がたくさんありました。二人の性格は全く違い、年も20歳も離れていましたが、逆に良い組み合わせでした。
出会いから10年以上、国際会議では彼女のストールの販売を手伝い、一緒に旅して、今では姉妹以上の絆を築いています。
パートナーの高い志と行動力!
パートナーは、戦時下に疲弊したカシミールの刺繍職人を取りまとめ、高品質のストールを生産するよう指導して、刺繍産業を育てました。さらに、そのストールを国際会議などで販売し、世界中に広めました。
最初は一人でスーツケースにストールを詰め込み、国際会議に出かけ、なんと女子トイレで販売したそうです。素晴らしいストールであったこともあり、翌年から、そのような世界各国の民芸品を販売するWomen’s EXPOが始まったそうです。
世界の女性のVIPたちがこぞってパートナーのストールを買ってくれて、そのブースは国際会議で一番人気になりました。そして、私もそこで彼女に出会うことが出来たのです。
インドの刺繍職人の生活は長いパキスタンとの戦争のおかげで、息子が負傷したり、家が破壊されたりと散々でした。
その時に夫の転勤でカシミールに赴いたパートナーは、危険な状況の中で苦労している職人たちの家を訪ねて、正しい商売の仕方を教えました。
お金がないからといって、安い布を使って刺繍するのではなく、高品質の布に刺繍をすることで、世界に通用するストールを作ることの大切さを説いたのです。

職人が安心して刺繍の仕事ができるように、生活の面倒も見ていきました。高品質の生地と刺繍糸を与え、お祭りの食事も与え、時には入院費を工面するために、ストールを前倒しでたくさん買ってあげたりもしています。
そうして、職人の暮らしを守りながら、美しいストールを世界に送り出していったのです。そんな姿に私も強く感動して、商売を始めたのです。
それだからこそ、私も直接カシミールの職人さんの家まで連れて行ってもらうことが出来ました。インドリームのストールは、普通のバイヤーにはなかなか売ってもらえない、選び抜いた高品質のストールばかりです。
インドの手刺繍ストールは、決して安くはありませんが、「職人さんの魂と心と技」を結集して作り上げたストールなのです。
人生100年時代の私のライフワーク
インドというと安物のイメージが強いのですが、インドの高級品はまさに世界の高級品です。
もともとナポレオンの奥様の手に渡り、ヨーロッパ貴族に大流行したストールです。私も最初は知らなかったのですが、500年以上の伝統を引き継ぐ奥の深いストールだったのです!
そんな素晴らしいストールに出会えたことに心から感謝しています。
ストール美人ランチ会
インドの刺繍職人の時を超越した、手仕事をたくさんの方に紹介したいです。
そんな思いが強まる中、ある日、100年以上経っているという美しいアンティークショールに出会いました。最初は販売の予定でしたが、どう考えても手放す気持ちにはなれず、手元に残すことにしました。
しかし、そんな素晴らしいストールを自分だけで楽しんでいては職人さんに申し訳ないという想いから、ストールを愛する方々にご覧に入れることにしました。そして実現したのが青山の高級レストランでストールのお話をするストール美人ランチ会です。
おかげさまでランチ会は大好評で、すでに70回以上開催、500名以上の方が参加してくださいました。素晴らしい出会いの連続です。
インドリームの看板イベントと同時に、私のライフワークとなりました。
今はコロナでお休み中ですが、オンラインでもやれないか模索中です。
ランチ会についてもっと知りたい方は、こちらのページへどうぞ!